テスラのある生活
祝 テスラ(電気自動車)10年
2022.03.29
2012年3月29日に、テスラ・ロードスター(電気スポーツカー)のデモ車を中古で購入してから、とうとう10年が経ちました。
排ガス・爆音を出さずに街を走れたのは良かったなぁと思います。
30年前に、10年間吸っていたタバコを止めて、それ以来煙を出さなくなりました。この30年の間に、喫煙者が過半数の世の中から少数派になりました。レストランでも禁煙のところが増えて、多くの人はすっきりしていると思います。
きっと、あと20年すると、排ガス・爆音を出す車が少数派になり、多くの人が「それが自然」と感じて、すっきりすると思います。
テスラ・ロードスターは、価格がとても高いだけでなく、ぺったんこの、きわめて生活感のないクルマです。「こんな物買うわけない」と思っていましたが、当時のSales Directorの飯塚航生さんに、繰り返し口説かれて、とうとう契約をしてしまいました。
難色を示す私に、信じられないほどの買取保証をつけてくれたので、買うときと売るときの差額がすごく少なくなりました。いわゆる残価設定ローンのようなことになり、購入ができました。
ロードスターは、側面上方から見るとなかなかにかっこよい車です。それだけではなくて、山道で屋根を開けて走ると、鳥のさえずりと一緒になれて、これぞ電気ロードスターの醍醐味だと思いました。
下の写真は、立体駐車場から出てくるときのもの。なんだかサンダーバードのようです。
ロードスターの加速は、とにかく衝撃でした。俊敏な動きが一番と思っていた私は、MTの瞬発力こそが大切だと思っていましたが、EVは、はるかに上を行く即応性でした。
下は、ロードスターのトルク・馬力・加速Gのピークホールド表示ですが、EVの場合は、0キロから踏んだ瞬間に0.72 Gがでます(いまのモデルSは1.1G〜1.2G で、飛び降りるより加速が大きいです)。
すごく悩みましたが、考えに考えて、「やはり自分は、瞬発力が優れた道具を使おう」と決心しました。自分にpureでいることができて、満足しています。
いまでは常識ですが、ロードスターが変速しない(一速しかない)ことは驚きでした。
これは東名IC付近を走行する動画ですが、左のメーターは、外側(白)が速度、内側(黄)がモーター回転数(タコメーター)を示しています。つまり比率がフィックスしていることを意味しています。面白いですよね。いまはこういった表示(モーター回転数表示)はなくなりました。
ちなみにこの動画は、鉄のハンガーを折り曲げて首の周りに巻き、そこにビデオカメラをつけて撮影したという苦心作です(まだGo Proは普及し始めたばかりで買っていませんでした)。
EVを強調したくて、発光するシートを買ってきて、工作し、リアディフューザーのところに開口しているダクト(排ガスがでないのでデザインのみのダミーです)に貼り付けてみました。
なかなかに面白いリアビューになったと思います。これで夜走るのはちょっとした快感でした笑
待てど暮せど来なかったモデルSですが、2011年5月10日に予約してから3年4ヶ月、ようやく日本にやってきました。
これは、2014年9月8日に、スーパーチャージャーが設置されたグランドハイアット東京で開かれた、オープニングイベントです。イーロン・マスクが日本に来て話している貴重な映像です。
私は、普通予約(予約金が50万円で済む予約)の2番目だったので、実はこの日に納車される自分用の車は日本に来ていたのですが、泣く泣くキャンセルしました。
それは、このイベントの直前にDual Motor車がでることが発表されたからです。モーターが制御するトルク配分の速度は画期的だということを知っていた私は、どうしてもそれを購入したくて、長年待った予約をキャンセルしたのでした。
しかしその後、即納車が出たという連絡があり、すぐにAutoPilotが配信されると聞いていたので、これはどうしても経験しなくてはと思いP85+を購入しました。モデルSを予約して4年7ヶ月が経過していました。
写真はAutoPilotになるまえのインパネで、この時代には、まだ道路の表示はありませんでした。
オートパイロットは、2016年の1月15日に日本配信となりましたが、その日は本当に衝撃でした。
本当はこの動画の先に続編があるのですが、事情により、YouTubeではこれだけになっています。
その後、モデルSは、日本には2016年の夏に入ってきた、衝撃の1Gの加速をするP85D(テスラ・モデルSの「デュアルモーター」が持つ意味)や、その後のP100Dと革命的な車が出現し、Dual Motor Performance(Raven)、また最近では日本未導入の Plaid(プラッド*)へと続きます。
その他に、カッコいいファルコンウィングドアのモデルXや、最近では大量に売れているモデル3が発売されました。
10年間ずっとテスラを乗り続けてきて思うことは、エンジン車でいくらいいものがあっても、「おっカッコいい」とは感じても、もう購入に至ることはないだろうなということです。
EVは、物理的に走行性能が優れていて、「普通の人力自転車と電動アシスト自転車の差」のような、漕ぎ出しの容易さ、軽さを感じるので、エンジン車はレンタカーでたまに体験できれば、それで充分になってしまいます。
いま、EVネイティブさんのように、初めて買う車がEVの方もいます。
こうした方がきっと20年後にはだいぶ増えていることでしょうね。
(2022.3.29)
*「プラッド」と発音 [元になった映画のシーン]。「プレイド」は誤り。
以下はTOCJのメンバー千葉櫻さんによる説明です。
「1987年のメル・ブルックスのパロディ映画Spaceballsの中で、宇宙船を光速より速い"ludicrous speed"にして追跡するシーンででてきます。ワープ効果がタータンチェックのようになって、"we've gone to plaid! "(Star Trekの"we've gone to warp”のパロディ)と叫ぶのです。」
(以下は、テスラ公式ページの「カスタマー・ストーリー」のコピーです。
私は放射線専門医で、MRIを専門としています。MRIとは磁気共鳴画像診断のことですが、「テスラ」というのは磁場の強度の単位でもあるんです。磁石入り絆創膏のCMなどで「1300ガウス!」なんて宣伝してますよね。1万ガウスが1テスラです。だから日頃磁気とつきあっている私がテスラという名のクルマに乗ることについては、単に乗り物として気に入っているということに加えて、何か縁のようなものも感じています。おまけに僕のイニシャルは苗字も名前も「T」。僕がテスラに乗らずしてだれが乗るというのでしょうか(笑)。そういう自負がありますから、今日は特にお伝えしたいことを3点ご紹介したいと思います。
ひとつ目は、テスラは人との交流のきっかけになってくれるこということです。「テスラに乗っています」と言うと、ほぼ皆さん「えーっ」と驚いて興味をもってくださいます。私はこのテスラのエンブレム入りのジャケットを好んで着るのですが、クルマに詳しい人はこの「T」のロゴを見て反応しますね。元々知らない人と話すのが好きなこともあって、テスラの話題でどんどん交流が広がりました。
充電中に他のEVやPHEVの方に話しかけられることもしばしば。現時点でテスラに乗っていることが、アーリーアダプターであるというアイコンでもあるようで、ビジネス上もプライベートでもプラスに働いているのを感じます。その意味で、車という範疇を超えたものだと感じるようになりました。
ふたつ目は、イニシャルコストは高いものの、ランニングコストが思っていた以上に安いということです。私の場合、車に使われる電気代はガソリン代の4分の1になりました。それから各種オイル交換が不要。また減速のほとんどを回生が担うので、ブレーキパッドがほとんど減りません。加えてEVの特典で、高価格車のわりに自動車保険の料率が非常に低いです。
私は以前Lサイズセダンに乗っていました。仕事で頻繁に使い、週一度給油していましたから、ガソリン代はひと月に4万円ぐらいかかりました。他のコスト削減もあわせたら、燃料代4万円がまるごとゼロになる効果があるのです。
これらが何を意味するかというと、仮に自動車ローンを月に8万円支払うことができる人であれば、12万円払っても出ていく金額は同じということです。こうなるとローンの場合、支払い期間を2/3に短縮できるのでその分の金利も節約できます。
ランニングコストの節約を年50万円と見積もると、6年乗れば300万円。これだけでも1000万円のモデルS85が、700万円のクルマと同じになります。補助金(85万円還元)も加えると、600万円プラスα! 例えばメルセデスなら、Cクラス上級モデルを考える人もテスラがターゲットに入ってくるんですね。このことは自分も購入して初めて気付いたことです。消費者はイニシャルコストには注意を払いますが、ランニングコストを含めた部分までは良く考えないことが多いので、その意味でも「「おトク」に上級車に乗れる」 (笑)というメリットがあります。
3つ目は、ソフトウェア・アップデートがあるということ。これがうれしくて仕方ありません。これまでのクルマは買った時点が機能的にピークですよね。でも、モデルSは無料の3G回線を介してソフトウェア・アップデートできます。つい先日、このアップデートにより買った時点にはなかったレーダー・クルーズ・コントロールが使えるようになりました。バックモニターに進路を教えてくれるガイドラインが表示されるようにもなりました。次は自動ブレーキ、ブライドスポットアシスタント、そして自動運転とつながっていくようで、楽しみで仕方がないですね。*
もうひとつ好きなところを言ってもいいですか。モデルSはオプションで後ろ向きの子供用シートを装着できますよね。そのシートに座った子供の足を置くために後端近くが深くえぐれているのですが、子供用シートを装着しない場合、その深くえぐれた部分に物を入れることができる。小さいモノでも走行中暴れないので気に入っています。仲間内では「掘りゴタツ」と呼んでいます。
モデルSに乗っていると「航続距離は十分ですか?」という質問をよく受けます。現時点では満充電でだいたい400km走行可能です。そりゃ、それが例えば1000kmになったら最高だなぁと夢見ることはありますよ。長いほうがいいに決まっていますから。けれど、自宅に充電設備がある限り、毎朝必ず満充電になっているので、十分なんです。ガソリン車の場合、毎朝必ず満タンということはありえないけれど、EVはそれが普通。ですから通勤で使う上で、航続距離に不満に感じたことはありませんね。
85 kWh パフォーマンス
パフォーマンス プラス
ブラック ソリッド塗装
全面ガラス製パノラミックルーフ
21インチ グレータービン ホイール
ブラック ナパレザー シート
ピアノブラック デコール
ブラックアルカンタ-ラヘッドライナー
カーボンファイバーのスポイラー
テスラレッド ブレーキ キャリパー
スーパーチャージャー対応
デュアルチャージャー
ウォールコネクター
テック パッケージ
スマート エア サスペンション
寒冷地対応パッケージ
チャデモ用充電アダプター
*2016年5月現在、これらの機能が段階的に実装され、高原さんのモデルSはさらに高性能に進化し続けています。
*この記事はテスラのオフィシャルサイト掲載記事の転用です。
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