テスラのある生活
テスラでできるだけ船を使わず東京から日本最北端の宗谷岬に行ってきました(後編)
2023.08.02
「なぜ東京から日本最北端の宗谷岬へ行こうと思ったのか?」などについてご紹介した前編の続きです。
全部で約2週間の旅程を立てました。東北の太平洋側を北上し、下北半島の北端の大間港からフェリーで函館に渡り、そのまま日本最北端の宗谷岬まで行き、札幌を経由して南下し、再び函館から大間港に戻り、東北の日本海側を南下して新潟を経由して東京に戻るルートです。
宿泊はEV充電器付きの手頃なホテルが見つからなかった3泊を除いて、EV普通充電器付きのホテルにしました。
EVオーナーではない読者のために若干補足すると「普通充電器」とは3kW程度の電力でEVを充電する充電器で、家庭で利用している200Vの交流をEVにそのまま流し込み、時間をかけて充電するものです。それに対して高速道路のサービスエリアなどにあるものは「急速充電器」と言い、400V以上の直流で大電流をEVに流し込み短時間で充電します。
私は分譲マンションに住んでおりますが、住んでいるマンションにはEV充電器がなく普段はIKEAなどに設置されてる急速充電器でテスラモデル3を充電していますが、EVは本来普通充電器で寝ている間に充電するものであると理解しています。そして、寝てる間に充電する限り、多くの方々が不安視している「EVの充電には時間がかかる」点は実質無視できることになります。その上エネルギー充填に際してガソリンスタンドなどに出向かなくても良いわけです。これは非常に大きなパラダイムシフトだと個人的には感じています。
つまり今回の日本最北端への旅は、私が自宅にいる限り体験できない「寝ている間に充電」というパラダイムシフトを体験させてくれるワクワクする旅でもありました。
実家の仙台で用事があったのでまずは東京から仙台までの400kmを走行し、その日は宮城県北部で宿泊しましたので計450kmほど走りました。今回の旅行でこんなに走ったのは、この日と、新潟から東京まで帰宅した最終日だけで、他の日はのんびり観光しながらのドライブでしたので1日あたりせいぜい200kmから300km程度の走行距離でした。
複数の観光スポットをめぐりながらだとたくさん走ってもこの程度の距離ではないでしょうか。観光スポットが点在していて観光スポット間の距離が長い北海道でさえ300km以上走る日はありませんでした。
この程度の走行距離だと急速充電器で充電する必要はないんですね。ほとんどの充電をホテルで寝てる間の充電でまかないました。
さて「寝てる間に充電」も注意点があります。3kWの普通充電器で充電する場合、1時間で概ね21km走行分しか充電できないことです。18時にホテルに着き、翌日8時までの14時間充電するとしてもせいぜい300km弱走行分しか充電できないんですね。最近は6kWの普通充電器もボチボチ見られるようになりましたので、ゆくゆくは改善するかもしれません。でも今回感じたのは「3kWでもまあ十分」です。
下北半島の北端の大間崎で本場の大間まぐろ丼を食べた後、テスラモデル3をフェリーに載せ、いよいよ北海道に上陸です。フェリーによってはクネクネした細い通路経由で車を載せなければならないものもありますが、大間と函館を結ぶ大函丸(わかりやすい名前ですね)は車をまっすぐ載せれば良く、車幅が広いモデル3でも難なく載せることができました。船の中で波に揺られたモデル3が大騒ぎしないように、監視モード(セントリーモード)はオフです。
大函丸の乗船口。まっすぐ入れれば良いので楽でした。
函館到着後は道東以外の北海道をのんびり巡りながら宗谷岬を目指しました。道東は札幌在住時に何度か訪れていたので今回はパスしました。道内は、札幌近辺以外はほぼ自動車専用道路を走っているようなもので、オートパイロットをオンにしてみたりしました。ただ、高速道路じゃないところでオートパイロットをオンにすると、せいぜい制限速度+10km/hまでしかスピードを出してくれないんですね。北海道では制限速度+10キロで走っていると車の流れにのれない感じです。
紋別のカニの爪にて
そして宗谷岬に到着。東京から宗谷岬までテスラモデル3で無事到着することができました。
宗谷岬にて
稚内で一泊したあと、日本海に沿って札幌に向かいました。そしてピアノ仲間と再開。
ピアノの会のひとこま
このピアノの会の幹事3人
ピアノの会のあとの懇親会の風景
おとなになってからピアノを始め、何年経ってもなかなか上手にならない私が今でもピアノを続けているのはこういう仲間がいるからなんだな、と再認識しました。
翌日はピアノ仲間のうちの2人と積丹まで生ウニ丼を食べに行きました。前編でも紹介しましたが「生ウニ丼」とは朝とれたウニをミョウバンを通さずにご飯にのせて食べるもので、ミョウバンを通さないので苦味がなくウニ本来の味が楽しめます。ミョウバンを通さないのがホンモノの「生ウニ丼」です。
以下の写真を見ていただくとウニの色が少しずつ違うのが分かるかもしれません。バフンウニとムラサキウニがあるんですね。私は両方のウニがのっている二色丼にしました。実においしかったです。
ピアノ仲間2人と積丹で生ウニ丼。生ウニ丼、おいしいですよ。ぜひ一度お試しください。
どこを旅してもそうですが、観光スポットによっては期待外れだったり、期待していなかったのに思いのほか良かったりがあります。今回思いのほか良かったのが、北海道には申し訳ないのですが八戸の蕪島(かぶしま)でした。
蕪島はウミネコの繁殖地としても知られてるところで「毎年3月から8月頃の繁殖期にはウミネコで島が埋め尽くされる」とのことです。行ってみたところまさにウミネコに埋め尽くされてました。そこら中ウミネコのフンだらけで、蕪島の上に建っている神社の参拝者用にビニール傘が用意されているほどです。ちょうどひな鳥がヨチヨチしている時期でとても癒やされました。
蕪島のウミネコとひな鳥たち
その他、盛岡でわんこそば食べたり、大間崎で大間まぐろ丼を食べたり、宗谷岬で戦争の爪あとを色々見て当時の方々に思いを馳せたり、北広島に移転したエスコンフィールドを見に行ったり、各地で楽しませていただきました。
今回の旅行は、総走行距離4,389km、総消費電力量580kWh、充電代総計13,475円、高速代総計42,780円、フェリー代往復26,000円、駐車場代総計2,520円、以上の交通費総計84,775円でした。平均電費は7.56km/kWhで、キロメートルあたりの電気代単価は脅威の3円/kmです。リッター20km走るハイブリッド車であればガソリン代単価165円として8.25円/kmで、今回走った4,389km走ると36,209円かかる計算になります。
この旅での充電単価は、EneChangeが最も高く55円/kWh、次に高いのがスーパーチャージャーで約40円/kWh、そしてToyota Walletが25~30円/kWh、ENEOS SSで充電した際のエコQ電が最安で21円/kWhでした。実はEV充電無料のホテルもいくつかありましたので本当の最安値は0円/kWhです。
以下はテスラモデル3で東京・宗谷岬間を往復してのEV関連の感想です。
EV充電器の前がふさがっていたホテルでケーブルを延ばしてモデル3(白)を充電する様子
上の写真はまさにEV充電器の前が非EV車でいっぱいだった例です。ホテルのフロントでお願いして、なんとか車を移動していただける方を見つけていただき充電しました。本来のEV充電場所に停めてた方には連絡がつかなかったので少し離れて充電です。充電ケーブルが届いて良かった。ここで充電できないとかなりヤバかったので本当に助かりました。
これにこりてこのホテルのあとで宿泊するホテルには事前に電話連絡し「宿泊時にEVの充電をしたいので、EV充電器の前にEVじゃない車が停まらないようにご配慮いただけませんか?」とお願いするようにしました。
私達EV乗りは、せっかくEV充電器を備えてくださってるホテルをもっともっと利用して、EV充電器を備えていることに感謝の意を伝えなければならない、とこの旅を終えて感じた次第です。
私が住んでいるマンションの居住者向けにEVについての理解を深める目的で書いたブログ記事です。
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