テスラのある生活
パワーウォールと太陽光で持続可能エネルギーへシフト
2022.03.20
欧州製セダンからテスラモデルSに乗り換え数年が経過し、今まで払っていた燃料費が当時無料のスーパーチャージャーと格安の深夜電力で大きく節約できたのでこのお金を何に使うべきかを家族で考えていました。せっかくテスラで気持ちよくCo2削減できたので、充電する電気もクリーンなエネルギーでありたいと思うのは自然なこと。
もし可能なら日中空から降り注ぐ太陽エネルギーで車を走らせることができれば夢のようです。
さらに自分たちが使う電気全てを太陽光で自給できればそれこそがまさに理想の世界。
こんな夢を叶えるため節約できた燃料費を使ってはどうか。テスラに乗りながら家族みんなで漠然とそんな思いがありました。それがEVとソーラーパネルとパワーウォールのある世界。
これこそがテスラの考える世界観であり、そんな理想の世界に引き込まれる方は多いと思います。
第一のハードル、それはソーラーパネルとパワーウォールはマンションや集合住宅では設置ができないということ。当時の私たち家族はマンション住まいでしたのでこれが大きなハードルとなります。
戸建住宅を新築できればそれこそが理想なのですが、残念ながら無理してテスラを買ったのでその予算はありません。
それなら中古物件を選ぶしかないのですが、幸い日本は空き家だらけですのでこの選択肢は人助けにもなるし世のためにもなるではないですか。
欧米では築50年や100年を超える物件を大切にして使っているのですが、日本では30年経過すると家の評価額は限りなくゼロに近づきます。
日本特有の多湿な気候と特に西日本では白蟻の問題もありますので、そこはしっかりと調査する必要がありました。
1981年5月より前の旧耐震構造で作られた木造住宅は特に要注意です。実際に内見した物件の中には湿気と白蟻にやられて二階に上がるとグラグラする家もありました。
そんな中でも比較的安心な鉄骨造の物件を不動産屋さんに見つけていただき、契約前に異常な構造的劣化がないかと重さ500kg以上のソーラーパネルの重量に耐えうるかどうかも一級建築士の方に確認していただきました。
比較的安心な鉄骨造中古住宅を購入することになり、まずはソーラーパネル設置の計画がスタートします。4社ほどの業者に見積もりを依頼。その際にソーラーパネルをどれぐらい乗せられ、4人家族でどれほどの電力を使用しているか、それにより償却年数と毎月のメリット金額のシミュレーションを行います。
結果的に最大8kWまで乗せられるところを5.3kWとちょうど家庭で使い切れる容量で設置を行いました。
今思えばもう少し載せておけばよかったかなと思いますが、設置を断念しかけた時期もあったので当時決断してよかったと考えています。
ソーラー設置にかかった総額は、カナディアンソーラーパネル5.36kW、設置費込みで119万円(kW単価22,2万円)
年間発電量はシミュレーションでは5,871kWhでしたが、実際には6,600kWhの発電をしてくれることになります。
現地調査を行ってから6ヶ月、ついに我が家にパワーウォールが設置されました。設置費用は476,000円となりました。
本体価格は1台825,000円+ゲートウェイ165,000円(パワーウォール10台まで対応)、合計99万円(税別)、税込み1,089,000円。蓄電池容量は13.5kWhdと容量比で他メーカーの半額以下かと思います。
日本ではこのような基礎に本体を固定して設置するのが一般的です。強度の高いコンクリート壁に壁掛けも選択可能です。
テスラに乗り出して5年、ついに計画から1年で太陽光でテスラを動かす夢が実現しました。
ソーラーパネルを設置して1年が経過した結果、年間6,600kWhの発電、我が家では年間4,500kWhの電気を消費していますので、それ以外の年間2,100kWhをテスラの充電に充てることを想定すれば、現在の愛車テスラモデル3ロングレンジ約80kWhに換算しおおよそ26回分にもなります。一回の満充電で走行可能な実際の距離約570kmですので、家庭で使用する電気以外に年間14,962km走行分もの電力を自給できる計算になります。(実際には損失も発生しますので90%としても13,465kmとなります)
ただし今後はソーラーパネルの劣化等もありますので年々少しづつ減少していくとは思いますが、我が家もあと数年で子育てが終わりますので十分な発電量なのではないかと思います。
使い方によっては完全オフグリッドも可能なのでとても夢のある製品だと思います。
ただし現実には下のグラフのように11〜1月の冬場は発電量が少なく(設置した屋根の向きが東西なのも原因)その上に暖房費がかかるため現状この家でオフグリッドをするにはちょっとハードルが高いです。暖房器具を電気以外を用いるか節約すれば良いかもしれません。
年間トータルでは146%もの電力自給率があるのですが、1年経過してみてそのような印象でした。
我が家の日常使用する家電製品は、毎日食洗機を2回とIHコンロによる自炊を平日ほぼ3食分、さらにヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機を毎日動かしています。エアコンは200V16畳用が2台です。
上のグラフの通り2021年6月末パワーウォール設置により太陽光発電分は全量売電(21円/1kW契約)をする設定にしていますが、
2022年5月より原油高と円安による電気代値上げ(燃料調整費と再エネ賦課金の上昇)により売電価格を上回る電気代(夜間21.05円)となるため、再び自家消費とパワーウォールへの充電に回すことになります。
このように電気代高騰にも影響を受け辛いということもパワーウォール設置の大きなメリットとなります。
最後に災害大国である日本では地震や災害による停電や電力不足による計画停電なども起こり得ます。
太陽光発電とパワーウォールにより電力を自給することは環境に優しいだけでなく、家族に安心をもたらすことも大きなメリットとなるでしょう。
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