エンジニア視点で見るテスラの魅力|世界が評価する理由とは?
2025.01.10
「テスラオーナーズファイル」を担当する、Mina(ブログ「ポルシェがわが家にやってきた」管理人)です。
この企画では、テスラオーナーとしての新参者の私が、先輩テスラオーナーの皆さんにインタビューし「どのようにテスラライフを楽しんでいるのか」「テスラに隠された魅力とは何か」といった内容をお届けするもの。
すでにテスラをお持ちの方には「こんな楽しみ方があるのか!」と思っていただけるような新しい発見を、そしてまだテスラに乗ったことがない方には「テスラってこんなに面白いクルマなのか!」と感じていただけるような魅力を、余すことなくお伝えしていきます。
というわけで今回のゲストは、テスラを骨の髄まで知り尽くしたエンジニア「小野さん」です。
小野さんは、テスラをはじめ、ランボルギーニやアストンマーティン、ジャガー、ランドローバーといった名だたるブランドの認定工場である「株式会社ビーライト」の会長を務めています。
その豊富な知識と経験を活かし、日本国内だけでなく、モンゴルなど海外のエンジニアへの技術指導も精力的に行っています。特にテスラについては日本屈指の詳しさを誇り、多くのオーナーから絶大な信頼を得ている方です。
今回は、そんな小野さんに、普段なかなか聞けないテスラの裏話や、技術者ならではの視点から見えてくる魅力について、たっぷりとお話を伺っていきたいと思います。
「僕が感じるテスラの一番の魅力は、『買ったときがスタートライン』だということ。
テスラは、他の自動車メーカーとはまったく異なる存在です。その理由は、ソフトウェアのアップデートによって、購入後も機能が次々と進化し続ける点にあります。
例えば、車内インターフェースをアップデートしたり、オートパイロット機能を改良して安全性や利便性を向上させたりといった変更は、単なるマイナーチェンジにとどまりません。それらは、日常生活をより新しく、安全で、ワクワクするものへと変えてくれます。
そして、この革新を支えるのが、テスラ独自の製造哲学とエンジニアたちの挑戦心です。テスラは単なる自動車メーカーではなく、未来をつくるエンジニア集団である。僕は、そう感じています」
では、この「進化し続けるクルマ」と「挑戦する哲学」に魅了された小野さんに、テスラの魅力について一つずつ伺っていきましょう。
「テスラは、僕が今まで見てきた自動車メーカーとは、まったく違う存在なんです。
従来の『こうあるべき』というクルマづくりの常識を、全部ゼロから考え直してカタチにするのがテスラです。『なぜそうするのか』ではなく、『どうするのがベストか』を徹底的に追求しています。この第一原理思考の哲学が、テスラのすべての製品やサービスに息づいているんです」
なるほど!たしかに、その考え方って普通のメーカーじゃ難しいですよね。具体的にはどんなところでその思考が活きているのでしょうか。
「例えば、テスラには、世界中から最高峰のエンジニアが集まっています。
ポルシェやアストンマーティンという、世界でも指折りの高級車メーカーで腕を磨いてきた技術者たち。そんな彼らが、なぜテスラを選ぶのか。それは、自分たちのアイデアを思う存分カタチにできる環境があるからです。
エンジニアたちの『これ、いいかも!』という提案の中で選ばれたものは、すぐにソフトウェアのアップデートに反映されていく。普通の自動車メーカーなら、『前例がないので難しいですね...』『検討に時間がかかります』で終わってしまうような提案も、テスラなら即座にチャレンジできてしまう。
『夢のアイデアが、明日には現実になるかもしれない』
エンジニアにとって、こんなワクワクする環境は他にないですよね。だからこそ、世界中の優秀なエンジニアたちが、次々とテスラの扉を叩いているんです」
これが、テスラが常に革新的な機能を生み出し続けられる理由の一つなんですね!
「そうですね。テスラは『エンジニアが自ら考えてクルマをつくるスタイル』で、クルマ屋を超えたエキスパート集団となりました。だからこそ、技術面でも他とは一線を画す存在になれたのです」
「テスラが他社の追随を許さない秘密は、独自の製造システムにあります。
特に注目したいのが、『垂直統合』と『ギガキャスティング』という、テスラならではの革新的な仕組みです。この2つの手法によって、他の自動車メーカーが真似できない圧倒的な開発スピードと精度を実現しているんです」
〇スピーディな改良を可能にする「垂直統合」
垂直統合ですか。聞いたことがあるような、ないような…。
「『垂直統合』とは、車両の製造工程をすべて自社で行うという仕組みです。
通常、多くの自動車メーカーは部品を外部のサプライヤーから調達しますが、テスラでは全工程を内製化しています。この仕組みにより、製品の品質が安定し、改良も迅速に行えるのです。
アメリカで大規模な洪水が発生した際、テスラはわずか1週間で全車両のバッテリー容量を引き上げるソフトウェアアップデートを実施しました。これは、少しでも遠くまで避難できるようにと、オーナーの安全を考えた迅速な決断でした。
他の自動車メーカーだと、このような大規模な仕様変更には数年単位の時間がかかることもあります。でも、テスラは部品の製造から車両の組み立て、そしてソフトウェアまで、すべてを自社でコントロールできるからこそ、こんな素早い対応が可能になったのです」
それ、本当にすごいですね…!緊急時でも、そこまで対応してくれるクルマなんて他にないですよ。
〇安全面にも考慮した「ギガキャスティング」
「そして、もう一つの特徴が『ギガキャスティング』です。これは、車体を巨大な一体成型部品として作る技術のことを指します。
通常、車体は細かい部品をいくつも組み合わせて製造します。しかしテスラは、巨大なダイカストマシンを使用して、車体の大部分をたった一工程で成型するという画期的な方法を採用しました。これは、まるでミニカーの製造工程の様な、革新的な製造方法です」
この技術のおかげで、車体の強度の向上と製造時間の短縮が実現できたんですね!
「そうですね。この画期的な技術を実現できた背景には、イーロン・マスクの存在が欠かせません。彼は優れたエンジニアとしても知られ、アルミニウムに関する博士号も持っています。材料工学に精通した技術者だからこそ、この革新的な技術の実現にチャレンジできたのではないでしょうか」
「テスラという企業の本質は、"できない"を"できる"に変えていく姿勢にあります。
常に『どうすれば、この壁を乗り越えられるのか』を考え、それを確実に実行に移していく。従来の常識にとらわれず、すべてをゼロから見直していく。その第一原理思考の哲学が、テスラという企業の隅々にまで浸透しているのです。
僕は、このような考え方こそが、テスラが革新を続けられる原動力なのだと思います」
「僕はずっと、自分の信念を貫いてきました」
誰もがやりたがらない仕事、「できない」と言われてきた修理に、むしろ積極的に挑戦し続けてきた小野さん。
その結果、他の板金工場では手に負えないような高度な修理や、認定トレーニングを任されるまでの存在に。小野さんは、オンリーワンの技術者として、独自の道を切り拓いてこられました。
その技術力の高さは、テスラのリペアチームからも認められています。「あなたにしかできない」という言葉をいただくまでになったのです。
「テスラとの出会いは、僕の人生観も大きく変えました」
どんな課題に直面しても、まず原点に立ち戻って考える。テスラが大切にしている第一原理思考や、果敢な挑戦姿勢に、小野さんは強く共感されたそうです。
「やはり、自分が本当にやりたいことを追求する。それが何より大切なのだと、テスラは教えてくれました」
「テスラは、僕たちの『当たり前』を次々と塗り替えていく存在です」
その進化はクルマの枠を超え、地球規模の問題解決への挑戦にもつながっていると小野さんは語ります。
「テスラがガソリン車からの脱却を目指しているのは、戦争の原因となる化石燃料への依存を減らすためです。
それだけではなく、通信革命や物流革命を通じて、過疎地の問題解決も視野に入れている。これは単なるビジネスではなく、社会的な挑戦なんです。
テスラは常に新たな挑戦を求めて進化し続けています。その姿勢は見ていて本当に楽しいし、僕自身もワクワクします。これからも、世界中の人々にワクワクを届け続けてほしいですね」
小野さんの言葉を通じて、テスラが単なるクルマを超えた、未来を形作る存在であることを改めて感じました!
小野さん、お忙しい中貴重なインタビューの機会をいただき、ありがとうございました。
テスラを骨の髄まで知り尽くした男、小野さんが会長を務める株式会社ビーライトも、是非チェックしてみてくださいね。
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校正・編集
栗田 加奈子
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