人生を変えたテスラとの出会い──マニュアル至上主義からサスティナブルな未来へ
2025.06.09
皆さんこんにちは。TOCJのブログ記事企画「テスラオーナーズファイル」を担当する、Mina(ブログ「ポルシェがわが家にやってきた」管理人)です。
今回ご紹介するのは、高原クリニック イノベーティブスキャン院長の高原太郎さん(以下高原さん)です。
7台ものテスラを乗り継ぎ、2025年には、サスティナブルなMRIクリニックを開設された高原さん。
太陽光で動くMRI、地震対策としてのホバークラフト技術、そしてホスピタリティあふれる医療空間——。そのすべてに宿るのは、「人と地球にやさしい医療」という想い。
テスラとの出会いが、高原さんの人生にどんな変化をもたらしたのか。その軌跡を紐解いていきましょう。
学生時代から「マニュアル命」の走り屋だった高原さん。
「学生の時にはOPTIONという車雑誌を見て、峠を攻めるような日々を送っていました。できるだけノーマルな状態のクルマで、どれだけ速く走ることができるか。まるで取り憑かれたかのように(笑)、タイムを縮めることに必死になっていました」
家庭を持ってからも、ホンダ NSXやスバル レガシィを乗り継ぐなど、高原さんのマニュアル車への情熱とこだわりが消えることはありませんでした。
そんな高原さんのカーライフが大きく変わるきっかけとなったのは、2008年頃のテスラとの出会い。
「テスラとは、磁束密度(磁場の強さ)を表す単位のこと。私はMRIをやっている人間だから、馴染みの言葉『テスラ』と同じ名前の車が出たと聞いた時から、ものすごく親近感を感じていました」
その後高原さんは早速、テスラモデルSを予約。モデルSの納車を待つ間に、当時日本に入ってきていたテスラロードスターを試乗する機会が訪れました。
そこで、高原さんは、これまでに経験したことの無い衝撃を受けたと言います。
「アクセルを踏んだ『瞬間』にクルマが反応する。車の加速性能やレスポンスの良さが本当に素晴らしかった。びっくりしました。私がマニュアル命だった理由は、自分で操作した方が『アジリティ*を極限まで追求できる』から。テスラではその一連の動作を自分の手で行うことがないにも関わらず、とてつもなく速く走れる。これまでのクルマに対する概念が180度変わりました」
* アジリティ:俊敏性
高原さんが特に印象的だったのは、屋根を開けてオープンにして、山道を登った時のこと。
「普通のスポーツカーなら、『ブオォォン!』というエンジン音を響かせながら山を駆け上がっていくものですが、テスラはまるで別ものでした。エンジン音は一切なし。聞こえてくるのは、風が木々を揺らす音と、鳥のさえずりだけ。
その静寂の中を、オープンのスポーツカーがスーッと力強く登っていく――。まるで自然と一体になったような、不思議な一体感でした。これはもう、異次元の体験でした」
テスラにすっかり魅了された高原さんは、予約したモデルSの納車を待つ間、試乗したテスラロードスターを譲ってもらい乗り始めることにしました。
その後、予約からなんと7年半も待ってようやく、モデルSが届くことに。2014年9月のことでした。ただその直後、予想もしなかった急展開が…。
「せっかく眼の前に納車車両が来たのに、直前にデュアルモーターのモデルS P85Dが発表されたんです。もともと何度も噂があり、その都度開発状況の問い合わせをしていたものです。遥かに性能の高いデュアルモーター、これは買うしか無いだろうと!(笑)せっかく納車まで7年半も待ちましたが、思い切ってキャンセルしました」と高原さん。
しかしその年の12月に、日本初のAutoPilot導入が近いことを聞き、テスラからシングルモーターのモデルS(P85+)を購入、導入日にAPの素晴らしさも体感できたとのこと。
「自動運転!これはすごい!と思い、工場で自動運転機能をインストールしてもらって、その日に運転して帰宅したのですが、おそらく当時日本で一番早く自動運転を体験したオーナーの一人ではないかと思います(笑)」
その後、2015年の仕様では、アダプティブ クルーズコントロール、自動レーンセンタリング、自動駐車、オートマチック ハイ/ロービーム ヘッドライトなど、さまざまな機能が無線(OTA)で追加されていきました。
そして翌年8月に納車された、デュアルモーターのモデルS P85D。その加速性能は、壮絶という言葉がふさわしいほど衝撃的だったと言います。
「0-100km/hが、確か当時約4秒で…最初の加速だけで、なんと1G近く。クルマとは思えない感覚でした。正直、制御できるかどうか不安でしたが、数日アクセルを踏んでいるうちに、だんだん慣れてきて。人間は適応の生き物だ、ということを実感しましたね」
テスラとの出会いをきっかけに、「サステナブル」や「環境への意識」が少しずつ高まっていった高原さん。その価値観の変化は、モデルSの最新型を乗り継ぐ中で深まり、やがて仕事のあり方にも大きな影響を及ぼすことになります。
高原さんは7年前から、「痛くない乳がん検診」として注目を集める新しいMRI検査法──『ドゥイブス・サーチ』を独自に開発・提供してきました。患者さんの負担を減らすこの検査法は多くの支持を集め、次第に医療界からも高く評価されるように。
その実績が、銀行からの融資というかたちで実を結び、ついにMRIの購入と、自身のクリニック開設へとつながっていったのです。
「せっかくクリニックをつくるなら、太陽光エネルギーでMRIを動かす“グリーンMRI”という革新的なコンセプトに挑戦したい──そんな想いが芽生えたんです。テスラとの出会いをきっかけに、こんな発想につながるなんて、自分でも驚きでした」
MRIは非常に大量の電力を消費する機器で、稼働していない間も待機電力だけで相当なエネルギー(約10kWh)を必要とします。もし、これを太陽光発電でまかなうことができたら、それは医療の現場にとって、大きな価値となる──
(青:MRIの消費電力。待機電力だけで10kWhを消費する。緑:太陽光発電。相対的に小さいが、それでもMRIの昼間電力の1/3程度は補償できるので、自然エネルギーが撮影に寄与する)
とはいえ、通常の太陽光発電システムでは、MRIのような大型医療機器を動かすことは不可能とされていました。
太陽光発電は直流しか生み出せませんが、MRIの稼働には大量の電力、しかも三相交流という特殊な動力電源が必要になります。正直、“これは無理かもしれない”と思いました。
ところが、偶然にもそれを可能にする特殊なジェネレーターがオムロンから販売されていることを、SIソーラーの方が見つけてくださったんです。さらに、テスラオーナー仲間の技術者の方が力を貸してくださり、多くの方の協力を得て、太陽光から直接MRIを動かすというまれな目論見が、ついに形になりました。
この仕組みによって、“無痛MRI乳がん検診”なら年間およそ400人の方に相当する電力を提供できる見通しです」
さらに注目すべきは、クリニック全体に施された“地震対策”です。高原さんが導入したのは、「エアー断震システム」と呼ばれる革新的な免震技術。なんと、地震のP波(初期微動)を検知すると、建物の基礎部分から空気が噴き出し、ホバークラフトのように“ふわり”と建物全体が浮き上がる仕組みになっています。
「下がどれだけ大きく揺れても、上はほとんど揺れないんです。信じられないシステムですが、実はこれもテスラ仲間に教えてもらったんですよ!(笑)」と高原さん。
このシステムを導入したことで、高額な地震保険に加入する必要がなくなり、院内の備品固定といった備えも不要に。初期費用はかかるものの、事実上100%の無破壊保証がつく上に、地震保険と比較してわずか4年でペイできることを、あとから知ったそうです。
そのこだわりは、クリニックの内装にも色濃く表れています。エントランスの扉を開けた瞬間、目に飛び込んでくるのは、一般的な医療施設とはまるで異なる世界。
マグネティック・レビテーションの時計が浮かび、壁にはアートのように映し出されるデジタルディスプレイ。テクノロジーと美意識が融合した空間には、高原さんらしい“未来志向のセンス”が息づいています。
「ここに来た人に、“病院に来た”と感じてほしくなかったんです。どこか別荘のような空気感の中で、検査を終えたあとに、ふっと肩の力を抜いてもらえたら……そんな思いで内装を考えました」と高原さんは語ります。
高原さんのクリニックは、オープン直後から注目を集め、著名人も足を運ぶ人気のクリニックとなっています。
「開院間もなく、起業家として有名な方が来院され、なんとSNSでクリニックを紹介して下さったんです。おかげで初月から予約が殺到して、有り難い限りです」と高原さん。
来院される方の中には、30〜40代の若い起業家も多く、診察を受けた方が自然と次の誰かを紹介してくれる――そんな“共感の連鎖”が、広がっています。
さらに、クリニックにはテスラの充電設備も完備されているというから驚きです!
「休診日などで発電した電気が余ることがあるんです。その電力をパワーウォールに蓄電しておいて、テスラオーナーの方が来られたときに自由に使ってもらえるようにしたいと考えました。診療の間で、少しでも充電してもらえたら、皆さんに喜んで頂けるかなと思って」
最後に、高原さんは、これからの展望についてこう語って下さいました。
「最初は、ただ“テスラ”という名前に惹かれた――そんな些細なきっかけだったのですが、乗り続けるうちに、その性能の高さや技術の先進性に惹かれ、次第に暮らしの中に“サステナブル”という価値観が、自然と染み込んでいったように思います。
太陽光発電、エネルギーの自給、そして“グリーンMRI”…そして気づけば、自分のクリニックまでもが“環境配慮”を軸にした場所になっていました。あのときは想像だにしなかったことですし、お力添え頂いたテスラオーナー仲間にも本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、楽しく、もっとサステナブルに。テスラも、仕事も、人生も、思いきり楽しんでいきたいと思っています」
環境に優しいクルマを選んだことが、やがて医療の世界にまでつながっていく――。高原さんの歩みは、まさにそんな“好奇心と行動力”が生み出した未来のカタチ。これから高原さんがどんな風を起こしていかれるのか、とてもワクワクするインタビューでした。
高原さん、貴重なお話をありがとうございました。
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