テスラの情報
現在のEV中古車市場の潮流(その1)
2022.11.22
ここでは、以前TESLA社員でリマーケティングマネージャーをされていた村辺さん(現在Ev CArS所属)にご協力を頂き、
現在のEV中古市場について、数回にわたり記事を頂きます。
(ご本人はModelXのオーナーでもありTOCJのメンバー
今回はEV中古市場での全体的な潮流について語って頂きました。
2022年ついにS3XYが、日本に上陸しました。
現在続々とModel Yの納車が始まりTeslaはまた活気を取り戻しつつある中で、ロシアとウクライナの戦争の影響が世界でも出ていて、半導体不足を引き起こし、現代の新車生産においても影響も出ています。
半導体不足は、モデル3発売の頃に噂され始めていて、全てを自社で開発しているテスラでさえ、半導体は台湾に頼らざるを得ない状況で、少なからず影響を受けています。
そんな中、中古市場でも相場のぐらつきが現在起こっているのが現状です。
特に巷で噂になっている話題としては、「Teslaの錬金術」です。
実際にModel 3の買い取り価格や販売価格が、新車よりも高いといった事が起こりました。
初期のModel Yの販売価格は619万でしたが、そのModel Yが9月に790万でオークション落札された事例もあり、実に171万円の錬金術が起こりました。
しかしこの1台が最初で最後のModel Yの錬金術で、現在は相場が下降傾向にあり、相場をぐらつかせています。
現在オークションでは中々落札されないという事態になってしまっています。
この背景から、買い取りや下取り等、査定する側は値段付けには大きなリスクを抱えながら査定をしている為、提示価格もオフェンシブな金額で提示するしかない現状です。半導体不足での新車への影響は、納車時期の延長なども影響していて、消費者からすると注文してから1年~2年待ちといった事も最近では、当たり前になってきています。
一昔前だと1~2年待ちの車両といえばフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンと言ったスーパーカー等で言われている新車注文から納車までの時間軸です。このような背景から中古車を購入して納車を待つ人も増えていて、購入者の中には新車の納車を待たずに同じ車両を中古(新古車)で探すなど様々ではありますが、人気車両は、中古車販売店の価格も新車とほぼ同じ価格だったり、それ以上になってしまっている車両も増えてきています。
例えば Model Y 新車(スタンダードレンジ, パール,20インチアルミ,ホワイトインテリア FSD)\7,786,000(車両本体価格)が、中古車サイトでは、challengingなpricingで掲載されています。現在の新車価格より高い中古車両もあり一概に新古車が得であるともいえないのが現状です。人の価値観は決して価格だけで判断されるわけではないのも事実でもあり、憶測ではありますが価格の大幅な下落を防ぐ為にあえてchallenge priceにしている可能性もあります。
個人的見解ではありますが、電気自動車中古市場の相場も多くの車でぐらつきが生じているうえに、販売側もユーザー側も錬金術をしようとしている為売り買いの流通ペースもスローになっているのが結論で、車を売る際に、錬金術的に増やすという行為は現実味のない事であることを理解して頂きたいです。
これは販売側にも言える事で、メーカーが公開している金額以上の価格で値段をつけてしまう様なことをしても利益を生むことは出来ない事を理解してほしいと共に評判が悪くなってしまう事や長期在庫を抱えることで損益を生み出すリスクを理解した上での錬金をしてもらいたいです。
そうすることで市場での価値の固定がされ、中古としての価値が決まるのだから。
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