テスラの情報
現在のEV中古車市場の潮流(その3)
2022.12.11
ここでは、以前TESLA社員でリマーケティングマネージャーをされていた村辺さん(現在Ev CArS所属)にご協力を頂き、現在のEV中古市場について、数回にわたり記事を頂きます。
(ご本人はModelXのオーナーでもありTOCJのメンバーでもあります)
今回は3回目、「中古車の種類と、中古TESLAを買うメリット&デメリット」についてお話し致します。
最近、巷でもテスラ「SEXY」とよくすれ違うようになり、だんだん世の中で当たり前の様に溶け込んできたTeslaですが、すべてのTeslaが新車で購入したと言うことはないでしょう。今回は、中古車の種類と中古Teslaを購入するメリットとデメリットについてお話致します。
中古車を購入する上で先ず知っていて欲しい事は、中古車にもいくつかの種類があると言う事です。
1,「登録済み未使用車」
2,「並行輸入車・中古並行輸入車」
3,「認定中古車・試乗車」
4,「修復歴車」
5,「事故車」
…等、数々あります。それぞれについて簡単に説明致します。
1,「登録済み未使用車」
ひと昔前は「新古車」と言われていましたが、新車との違いがわかりにくい為、表記の方法が変わり「登録済み未使用車」や「届け出済み車両」等に表現が変わりました。
「登録済み未使用車」は簡単に言うとナンバーを登録したけどまだ距離を走行していない車両の事を言います。現在は、走行距離100km以下という定義になっていますが、私の記憶では1000km以下の車両の事を登録済み未使用車(新古車)と言われていた時も有ったと思います。
>メリットとしては、より新車に近いと言う事です。
メーカー保証もしっかり残っていて車検も約3年に近い状態である事が挙げられます。この100km以下というのがポイントにはなりますが、年式は確定されてしまいますので注意が必要です。例えば2017年の100km以下の車が有ったとしても、登録済み未使用車として成立してしまうと言うことです。
2,「並行輸入車•中古並行輸入車」
正規輸入代理店を通さずに販売店が独自に海外から仕入れた輸入車の事を言います。
これらは海外で登録されてから日本に来た場合、「ワンオーナー」扱いになるため、中古並行輸入車としての扱いになります。
>メリットとしては、希少な車を購入する事が出来る事です。(基本的に、日本国内にメーカーやディーラーが無い車両は並行輸入車と言う事になります。)現時点ではTeslaの並行輸入車の車は無いと考えて良いと思います。
>デメリットとしてはメンテナンスや車両保険の加入が難しくなってしまいます。保険に関しては、過去Teslaの車両も加入するのが、大変と聞きました。おそらく型式が不明の時期があり、取り扱っている保険会社も少なかったことが原因ではないかと思います。今ではTeslaを取り扱っている保険会社もありますが、相見積もりを取る場合Model Yの様に型式があっても全ての会社が取り扱っているとは限りません。最大のデメリットは売却価格が安いことです。やはりメーカーや正規ディーラーを通して日本に入ってきていない車両なのでホモロゲーション等はされていない事と、日本の法規に準じていないケースもあるので価格が付けづらいと言う事が背景にあると考えられます。
3,「認定中古車•試乗車」
輸入中古車に対する信頼度が低かった頃に、輸入車インポーター自らが整備基準を作って品質を高めようとした事がきっかけで生まれたものです。
日本で初めて「認定中古車」を行ったのはBMWでした。今では多くの輸入車のインポーターが同様の認定中古車の基準を定め「認定中古車」という形で販売をしています。点検項目等はメーカーによって基準は様々になりますが、「Tesla認定中古車」の場合は、基準設定時に沢山の項目を取り入れました。私が「認定中古車」の取り扱いをやっていた時は、事故車両は認定外にしていました。また、タイヤの山が4mm以上ないものは交換し、ホイルに至っては傷などがある場合すべて修理塗装等をしていました。現車は基本見せないというスタイルをとる為に、大きな傷などはすべて修理をしました。修復時間が長い車両では、Webに掲載されるまで1ヶ月以上かかるケースもありました。パーツが本国に無かったりする場合などがその要因でした。最近では、中古車屋さんが高い基準で販売している為、認定中古車に拘らなくても質の良い車両は購入できるようになっています。
「認定中古車」の中には試乗車や代車に使用されていたケースも有ります。代車や試乗に使用された車両が悪いと言う事ではないですが、個人的には余り選びたくないです。その理由としては、試乗では様々な方が車両の性能体験をする様な走りをされますし、社用車として使用しているので、例え傷をつけてしまっても履歴に乗らないで修復されているケースも実はあります。(代車にも同じことが言えます)良く言えば運転の仕方は十人十色ですので「それに耐えうる車である!」という見方も言えますよね。これらの車両も含まれるのが、「認定中古車」と言う事になりますので、検討されている車両の使用用途は、営業担当者さんに確認をしてみるのも良いかもしれませんね。
4,「修復歴有」
修復歴有車両とは、主要部分を修復した履歴のある車両の事です。
自動車公平取引協議会が修復歴については下記のようなカ所に定義しています
(1)フレーム
(2)フロントクロスメンバー
(3)フロントインサイドパネル
(4)ピラー
(5)ダッシュパネル
(6)ルーフパネル
(7)ルームフロアパネル
(8)トランクフロアパネル
この項目に1つでも該当する車両は「修復歴有り」になります。
私がTeslaに在籍時、Teslaは他社よりも基準を厳しくしていたため、フェンダー交換しただけの車両も「修復歴有」に該当をさせたと言うケースもあり、基本的に「修復歴有」の車両は販売しないようにしていました。購入者側が心配されてしまう要因である事には変わりなかったからです。修復していて安全に使用でき楽しめたとしても、どこか頭の片隅に引っ掛かってしまうと言う事を軽減して楽しく乗って頂く為に行った事が理由になります。「修復した車両=悪い車」と言う事ではないので、予算第1と言う方には安い金額で購入できるので良いと思います。(もちろん修復してキレイな状態ならばの話ですけど)
5,「事故車両」
私独自の解釈ですがパーツカーと言われる車両です。
現在お持ちの車でパーツが足りていない場合は、事故車両を購入してパーツを使うためのものです。EVでは、パーツカーを使用して修復した、という話などは聞かないですが、私がTesla社員時代にパーツが足りない時に事故車両のパーツを使って修復した、という話も聞いたこともありました。損傷していないパーツを使いますので安全上に問題は無く、事実上走行等に関係ないパーツのみです。
■まとめ
種類別のメリットとデメリットの話を書かせて頂きましたが、中古車は善し悪し含めその車両に出会えると言う事は、もしかしたら「一期一会」かもしれませんね!
是非、中古車の購入の際は、この「一期一会」の機会を大事にしてステキな出会が生まれる事を祈っております。
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